月と木星

愛のこと、徒然なるままに。

虹がかかった夜のこと

「夜でも虹がかかるんだって」

 

夢みたいな幻想的な風景を想像した。

 

その日は、夜遅くまで電話をしていた。

電話は好きだ。声で

笑顔が見えてくる。

逆も然りなんだけど。

好きな人の

声を聴いていたくて、

くだらない話を

どこからかひっぱってきて、

あーだこーだしゃべってしまう。

 

 

 

今は電話じゃなくて、

通話っていうことが主流なのかな。

SNSのアプリでもおしゃべりができるように

なってるんだから、すごいなぁと驚く。

 

昔は好きな子の家の電話に

かけて、「〇〇くんいますか?」て

おうちの人に言っていた。

今は家に電話をひいてるところも

少なくなっているのかも。

 

あのドキドキは実は貴重だったのかもしれない。

今では話したい相手にダイレクトに繋がる。

スマホをスッスで繋がる。

便利。便利だけど、あのドキドキは

あれはあれでスリルもあったし、よかったよな?

なんて思ったりもする。もう味わえないかも?と。

 

 

 

 

 

パソコンで夜の虹を調べたら

ハワイの景色が出てきた。

ため息が出るほど素敵だった。

ハワイでは、夜でも虹がかかるんだなぁと

感動した。なんとなく、

デスクトップを撫でた。

 

 

 

数日後の夜中、ふと空を見上げたら

月の周りに虹の環ができていた。

月暈(げつうん)とか、いろんな名前があるらしい

 

思わずあの人に電話をかけた。

 

「虹がかかってる!」

 

あの人は笑いながら

「僕のとこでは見えへんわぁ」

と言った。

 

「けど、同じ月見てんねんな」

 

声がどこか嬉しそうだった。

顔が笑ってたのかもしれない。

電話は、顔は見えないけれど、

でも、やっぱり見える気もする。

 

 

 

月暈を見ると、

いいことが起こるらしい。

こんなロマンチックな時間が

プレゼントされたのだから、間違いない。

 


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電話は、わたしがその人を独占できる時間。

笑いながら話してくれるのが

たまらなく好き。